大阪早稲田倶楽部

学活の杜 第3弾島根編 ~今話題の松江・出雲をめぐる特別な旅~

 今回で3回目となる「学活の杜・島根研修旅行」(26年5月30日~31日)に行ってきました。今回は国宝松江城、小泉八雲記念館、足立美術館、出雲大社、田部竹下酒造・竹下登記念館など、島根県を代表する歴史・文化施設と早稲田ゆかりの地を巡りました。また、出雲そばや島根ワイナリーでの昼食など、島根ならではの食文化にも触れながら、参加者同士の交流を深める充実した二日間となりました。
 なお、松江はNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台として国内外から注目を集め、城下町の風情や豊かな自然景観が残る街です。また、出雲地方は古くから「神々の国」と呼ばれ、日本神話の舞台として全国から多くの参拝客が訪れています。今回の旅行はまさに「ご縁」がキーワードです。

【初日】
■松江駅集合・出雲そば
 5月30日正午、参加者は各々の交通手段で松江駅に集合。まずは駅前の名店「一福」にて島根名物の出雲そばをいただきました。つゆをそばにかける割子そば独特の食べ方を楽しみながら、これから始まる研修旅行への期待も高まります。

■白潟天満宮

 昼食後は松江駅から徒歩10分ほどにある白潟天満宮を参拝。白潟天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社で、その歴史は古く、保元年間(1156~1158年頃)にまで遡ります。伝承によれば、平景清が出雲で築城を進めていた際に眼病を患い、菅原道真公へ祈願したところ快癒したことから社殿を建立したのが始まりとされています。その後、松江城を築いた堀尾吉晴によって現在の白潟の地へ遷され、以来400年以上にわたり松江の人々の信仰や親しみを集めてきました。
 今回は特別に、神職でもある俱楽部会員の長谷川さんのご厚意もあり、大阪早稲田倶楽部の発展と会員皆様の健康・活躍を祈念したご祈祷を長谷川さんのお父様とともに行っていただきました。神前で祝詞が奏上される厳かな空間の中、研修旅行のスタートにふさわしい、非常に貴重な時間となりました。

■国宝 松江城

 続いて訪れたのは、全国に現存する12天守のひとつであり、国宝にも指定されている松江城です。幸いにも天候に恵まれ、青空の下に映える黒い天守は圧巻の存在感を放っていました。天守閣へ登ると、宍道湖や松江市街、遠くは霊峰大山(伯耆富士・出雲富士)を一望することができ、城下町として発展してきた松江の歴史を肌で感じることができました。

■小泉八雲記念館

 松江城の堀を歩き向かったのは、主要目的地である「小泉八雲記念館」です。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は『怪談』『耳なし芳一』などで知られる作家として有名ですが、実は早稲田大学とも深い関わりがあります。
1850年にギリシャで生まれた八雲は、アイルランドやアメリカで新聞記者として活躍した後、1890年に来日しました。島根県松江中学校や熊本第五高等中学校などで英語教師を務めながら日本文化への理解を深め、日本人以上に日本を愛した外国人とも評されています。その後、東京帝国大学で教鞭を執った後、1904年(明治37年)に早稲田大学から招聘を受け、文学部で英文学を講義しました。在職期間は同年4月から、突然の逝去によりわずか5ヵ月間で終わったようですが、早稲田大学にとって初めて迎えた世界的な文人・知識人の一人であり、その存在は大きな意味を持っていました。当時の早稲田大学は創立から20年余り。大隈重信を中心に「学問の独立」を掲げながら発展を続けており、八雲の招聘は大学の国際性を象徴する出来事でもあったようです。
 なお、松江は八雲が最初に本格的に日本で生活した土地であり、妻・小泉セツと出会った場所でもあります。セツの語りがなければ名作『怪談』は生まれなかったと言われています。八雲自身も「最も幸福な時代を過ごした土地」と語ったとされており、記念館や旧居を訪れることで、彼がなぜ松江を愛したのかを肌で感じることができました。

■堀川遊覧船


 その後は堀川遊覧船に乗船し、松江城周辺を水上から巡りました。初夏の爽やかな陽気の中、ゆったりと流れる時間を楽しみながら、松江の街並みや石垣、江戸時代から変わらない緑豊かな景観を堪能。時折、橋の下を通る際、船の屋根を下げるスポットでは、船底に寝そべるようなアトラクション感も体験でき、もう一周したい!との声も聞かれるほど楽しめました。

■夕食・懇親会
 宿泊先は松江しんじ湖温泉「夕景湖畔 すいてんかく」。宿から眺める宍道湖の夕暮れの景色は美しさと温かさを感じることができます。到着後、温泉で旅の疲れを癒した後、懇親会を開催しました。美味しい料理とビールや島根ワインを楽しみながら会話も弾み、大いに盛り上がりました。宴会後も有志による二次会が開かれ、松江の夜を楽しみました。昨年の新潟の反省を活かし?二次会でお開きにして、明日に備えます。

【二日目】
■足立美術館

 二日目は午前8時に宿を出発し、世界的にも高い評価を受ける足立美術館を訪問しました。この日も快晴に恵まれ、米誌で世界一の日本庭園と評され続ける庭園は息をのむ美しさでした。まるで一幅の絵画のように計算された庭園美や借景に加え、横山大観をはじめとする近代日本画の名作も鑑賞し、日本文化の奥深さを改めて感じる機会となりました。

■出雲大社

 昼食は島根ワイナリーにていただき、全国的にも名高い出雲大社へ向かいました。まず目に飛び込んできたのは大きく掲げられた日本国旗。その堂々たる姿に参加者一同驚かされました。晴天の中、多くの観光客・参拝者で境内は大変賑わっていました。国内外から訪れた人々がしめ縄や拝殿の前で足を止め、思い思いに参拝や記念撮影を楽しむ様子からも、出雲大社の高い人気を感じることができました。参拝では出雲大社独特の「二礼四拍手一礼」の作法に従い、心静かにお参りを行いました。
 また、参加者の記念撮影では、近くにいた観光客の方に撮影をお願いしたところ、なんと偶然にも早稲田大学の後輩であることが判明。思わぬ出会いにその場は大いに盛り上がり、せっかくのご縁ということで一緒に記念撮影を行いました。
縁結びの神様として知られる出雲大社ですが、まさに「ご縁の神様」のご利益を感じさせる出来事となり、参加者一同の印象に強く残るひと幕となりました。

■田部竹下酒造・竹下登記念館

 旅の締めくくりは雲南市にある田部竹下酒造・竹下登記念館です。まず酒蔵見学と試飲をさせていただいた後、「都の西北」を購入。隣接する竹下登記念館では、竹下登元内閣総理大臣の実弟である竹下三郎様にご案内いただくという、大変貴重な機会に恵まれました。今回の特別な見学が実現した背景には、倶楽部の竹田先輩と竹下三郎様が早稲田大学ゴルフ部を通じた旧知のご縁があったことが挙げられます。そのご縁により、通常の見学では経験できない特別な時間を過ごさせていただきました。
 館内では竹下元首相の生い立ちや政治家としての歩み、国内外の要人との交流を示す数々の資料について解説いただきました。また、特別に母屋へも案内していただき、竹下登が帰郷した際に過ごしていた部屋で首相任命書をはじめとする貴重な資料を拝見することができました。さらにはスイカやコーヒーまでご用意いただき、参加者一同、まるで親戚の家に招かれたかのような温かいおもてなしを受けました。政治的・歴史的資料の価値はもちろんのこと、人と人とのご縁がつないでくれた今回の訪問そのものが、大変印象深い体験となりました。

 その後、宍道駅・出雲空港・松江駅にてそれぞれ解散となりました。今回の学活の杜・島根研修旅行では、松江・出雲が育んできた歴史や文化、日本神話の世界に触れることができました。何より、白潟天満宮での長谷川さんの祈祷、出雲大社での大学後輩との偶然の出会い、そして田部竹下酒造・竹下登記念館での特別なご案内など、数多くの早稲田に関する「ご縁」に恵まれた二日間でもありました。

平成15年卒 北垣博章

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